Let’s climb!!
~山頂を目指して一歩一歩、歩を進めよう~
長岡商工会議所青年部(以下、長岡YEG)は2000年11月1日の設立以来、次代の地域経済を担う青年経済人の研鑽の場として、また資質向上と会員相互の交流を通じて、会員企業の発展と豊かな地域社会を築くことを目的に活動して参りました。
設立以来、地域社会の発展、組織の活性化にご尽力されてきたOBOGの皆様や親会、長岡市をはじめ、これまでご指導、ご支援いただきました関係機関の皆様に深く感謝申し上げます。
長岡は近年会員およそ300名を有し、これまで実施した事業においては、日本YEGをはじめ全国の単会YEGにも注目され、日本YEG大賞を獲得するなど、さらなる地域経済の発展に寄与すべく活動に邁進しております。
昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID–19)により、人と人との接触や移動制限は、今日の社会の枠組み、働き方、生活や価値観に大きな変化をもたらし、 YEG活動においても対外事業の中止、延期などの対応をせざるを得ない状況となりました。しかし、我々経済人はどのような状況下においても、それぞれの目標に向かって歩んでいかなければなりません。今後、さらなる変化があろうとも、その変化に果敢に挑み、臨機応変な経営、事業構築のアプローチが必要になってくると考えます。
本年度も地域を支える青年経済人として、その存在と責任の重さを自覚しつつ「若き起業家集団(YEG : Young Entrepreneurs Group)」として活動して参ります。
強固な組織づくり
新型コロナウィルス感染症により、人との関わり方や習慣に新たな常態「ニューノーマル」が求められるようになりました。「非接触」「非対面」が日常となり、長岡YEGにおいても例会や役員会、委員会活動でもWEBをとりいれたハイブリッド型の運営を行って参りました。
その結果、それぞれの事情で出席することが出来なかった会員も出席することが可能になり、従来よりも高い出席率につながっております。もちろん、膝と膝を突き合わせての対面の参加、交流に勝るものはないと考えますが、本年度も世情に応じスムーズに運営、活動が行えるよう、WEB会議等も活用しながら強固な組織運営モデルを構築して参ります。
また、長岡YEGの活動は現在も様々な媒体を通じて発信しておりますが、まだまだ改善の余地があります。HPやSNSはもちろん、WEBを最大限活用し、長岡 YEGの認知度の向上、会員拡大、会員の意識醸成、さらには会員企業の発展につなげたいと考えます。
そして、長岡YEGは会員およそ300名の全国でもトップクラスの在籍数を誇るYEGに成長しました。会員数=スケールメリットは、会員企業のビジネスの発展、企業間の連携につながるだけではありません。
様々な業種のスペシャリストが在籍している長岡YEGだからこそ、実施が難しい事業も実現することができるのです。そのためにも、会員拡大を積極的に行い、その上で現在の課題でもある出席率向上について様々な角度から改善に取り組んで参ります。
会員の交流
私たちは経済人です。様々な業種の経済人が集まり交流することは、ビジネス連携の幅を広げ、会員企業の発展にも繋がります。
私は長岡YEG設立から在籍しておりますが、その間、お世話になったOBOGの皆様、現在も共に活動している長岡YEG、新潟県連及び全国のYEG会員、数えきれないほどの経済人と交流することが出来ました。その中でビジネスの新たなヒントを頂いたことや、実際にビジネスにつながったことも多々あります。そこにYEGに在籍する大きな価値があると考えます。しかし、名刺交換だけではその価値は得ることが出来ません。様々な活動を通して、ともに汗を流し、時には涙を流し得られる仲間意識こそがその価値を高められるのではないでしょうかそして、長岡だけに留まらず新潟県、北陸信越、チャンスがあれば全国の会員との交流を図り、YEGの在籍価値を高めて参ります。
研修による気づきや学び
私たちは、新たな時代に挑戦し適応することで企業を存続していかなければなりません。そのためには企業のリーダーである私たちの資質向上が不可欠です。リーダーとしての心構えはもちろん、見識を広め、社員や関係企業とともに、どこへ、どのように向かうのか自社をマネジメントしていかなければなりません。
また、労働人日が減少している地方都市において、人材確保や担い手の育成は地方企業における最大の課題です。意欲と能力に応じた柔軟な働き方を推進し、生産性を向上するための職場環境づくりを行うとともに、事業や技能をスムーズに承継する必要があります。
企業の目標は様々であり、向かう道も一つではないでしょう。さまざまな状況下でも最善の判断ができ、企業が永続的に発展するために会員のスキルアップ研修や会員企業のサポート事業を行ってまいります。
地域の活性化
地方都市は、少子化や大都市移住による人口減少が大きな間題となっています。しかしながら、地方都市にも魅力ある仕事や娯楽、観光資源、文化があり、ワークライフバランスを実現することも可能です。定住人口が減少傾向にある中、観光客などの交流人口、地域に関係性を持っている関係人口の増大は、その影響を緩和し、地域の活性化にもつながります。まずは、私たち経済人が郷士長図の観光、文化、企業などの宝に触れ、再認識したうえで積極的に発信することが必要なのではないでしょうか。地域の発展なくして企業の発展はありません。アフターコロナには人の動きも活発化します。各機関と連携し、交流人口、関係人口拡大や地方経済にプラスになる活動、支援を行って参ります。
また、未来の起業家である子供たちの就業観を醸成することを目的とした「高校生ラーメン選手権」は、コロナ禍により一昨年、昨年とやむを得ず中止となり ました。ワクチン接種等により新たなステージに移行しているもののまだ予断 は許されず、開催に慎重にならざるを得ない状況です。しかしながら私たちには、地域活性化のためにこれからの時代を担う人材育成を行っていく使命がありま す。これまでの学校や関係機関との連携を保持しつつ、世情を見極めながら育成事業の検証、再構築を行いたいと考えます。
結びに
企業経営はよく登山に例えられます。私もプライベートで登山をしていますが、登山は様々なビジネススキルを学べるアクテイビティだと思っています。
登山前はどの山をどのように登るか、自分やグループのスキルを考慮し目標、ルート、装備等綿密に計画する必要があります。
登山中は判断の連続です。安全に登りそして下山するために、ルート状況、天 候の悪化、体力の消耗による計画の変更など、瞬時に判断しなければいけません。
下山後は計画、判断等を振り返り、気づきを得ることで、より安全で楽しく充実した登山につなげることが出来ます。
計画、準備、リスクマネジメント、実行、状況判断、振り返り。
あらゆる局面を想定し、いかなる状況にも対応できるよう備えること。それは企業経営にとっても重要な要素です。昨今のコロナ禍は、登山でいえば最悪のコンディションの暴風雪であり、歩みを一時止めビパークしたり、残念ながら撤退した方もいたでしょう。しかし、私たちは山頂を目指し歩んでいる最中であり、まだ登る気持ちと体力を持っています。
人類ではじめてエベレストに登頂したニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーはこのような言葉を残しています。「山はこれ以上大きくならないが、私たちはいくらでも成長できる。」その成長の機会を与えてくれるのがYEGです。
いま私たちは、それぞれの新たなルートを見据えています。もう一度、目標とする山頂に向かって共に登りましょう!
Let‘s climb!!
令和4年度 長岡商工会議所青年部
会長 杉本 良輔