変化に挑み未来を拓け
~天の時を知り、地の利を高め、人の和をつなぐ~

私たちは大きな変化の只中にいます。米国のトランプ政権発足や英国の欧州連合離脱などの先を見通すことの出来ない変化に加え、国内では人口減少や少子高齢化などの急速に進む変化など、様々な変化の波が私たちの経済活動に少なからず影響を及ぼしています。

歴史を振り返れば、これまでも変化は常に起きていて、先人たちはその変化に対応して凌ぎ、新たなニーズを捉え、成長に結びつけて今に至っています。長岡の先人たちは、二度も戦禍によって焼け野原へと変わり果てた街を見事に復興させ、東山油田の開発の機には機械化への潮流を捉え、長岡を工業都市として発展させるなど、激変の時代を乗り越えて成長してきました。

私たちも先人たちが築き上げた経済の上に胡座をかくことなく更なる成長を目指すために、「守ると拓く」の二極を両立させながら、様々な変化を前向きに捉えて対応し困難を乗り越えていかなければならないと強く感じています。

ところで、商工会議所青年部(以下YEGとする)の目指すところは何でしょうか。個々によって多岐にわたる考え方があると思いますが、行き着くところは青年経済人としての視点で「豊かで住みよい郷土づくりに貢献する」ことであると考えます。そして、その実現のために「地域の経済的発展の支え」となれるよう、雇用や納税、仕事の循環などを担うべく、自らの企業の成長を目指すことが「次代への先導者としての責任」であると感じています。

実際、私たちが目指すべき企業の成長と郷土の発展は車の両輪のような関係にあります。郷土とは土地に人が根付くことであり、その人が持つエネルギーこそがその街の賑わいであり発展の源です。逆に人が根付かないということは、それだけ消費のエネルギーも減るということになります。業種や業態によってはそこまで直接的ではないかもしれませんが、いずれ将来的には労働力人口の減少、公共事業の縮小、インフラのコスト上昇、サービス産業のレベル低下を招くなど、少なからず様々な企業の成長を阻害する要素を含んでいることは誰もが感じていることと思います。同時に、企業の経済活動は顧客、社員、仕入先、地域社会など、多くの人々に支えられていることを考えますと、私たちは郷土によって生かされていることに改めて気付かされます。

さて、物事を成就させるためには『天の時、地の利、人の和』の三つの要素が大切であるという教えがあります。変化の激しい戦乱の時代より様々な解釈をされながら今に伝わる言葉だからこそ、現代のビジネスにも通じる不変の理を示しているように思います。

今年度は、企業の成長と郷土の発展を目指すべく、様々な変化を前向きに捉えて対応し困難を乗り越えていけるよう、三つの能力の向上を意識しながら活動したいと思います。

「捉える力」ニーズを読み、新しい潮流を想像する=「天の時を知る力」
「応える力」自社の強みを生かし、新たな強みを創造する=「地の利を高める力」
「乗り越える力」互いに協力と信頼を重ね、人間力を育む=「人の和をつなぐ力」

それまで常識と思われていたことが簡単に崩れ去るような大きな変化の中で、この激変の時代を乗り越えて成長を目指すためには、これらの能力に加えて、明確な目的意識とそれを貫く強い意志が必要です。幕末の動乱期を一気に駆け抜けた河井継之助が残した「天下になくてはならぬ人となるか、あってはならぬ人となれ」の言葉には、当たり障りなくやり過ごすような考えでは乗り越える事など到底できない、常識を覆す程の気概で人事を尽くし、あとは結果を恐れず正しいと信じる道を突き進めと、現代の私たちに向けられた叱咤激励のように感じられます。激変の時代を制するのは、何より私たちの心の在り方です。

企業も郷土も全ては人であるように、YEGも人であります。多くの青年経済人と出会えるYEGのメリットの先にあるもの、それは活動を通じて互いに信頼関係を築くことができるということです。そして、その信頼関係構築の先には必ずや互いのビジネスの成長があると信じています。

あらゆる業界の第一線で活躍するメンバーが集まるYEGは、全員が主役であり、スペシャリストであります。皆の想いが繋がった時のチームの力は計り知れません。先人たちが築き上げた長岡の経済を10年後、20年後の私たちの子や孫たちの世代に、そして100年後の未来に繋げていくために、メンバーの力を結集しましょう。未来はとても面白い。そこへ向かう舵は私たちの手の中にあります。


平成29年度 長岡商工会議所青年部 会長 遠藤 忠克