越える力
~時代を越えて、境界を越えて、限界を越えて~

本年は天皇陛下の退位による改元が行われる特別な年であります。本年4月1日に新元号が「令和」と決まりました。皇位継承前の発表や国書から初の採用は、約30年続いた平成からの時代の節目というだけではなく、新しい時代の到来を確信するものでもあります。

長岡商工会議所青年部は設立20年を来年に控え、その歴史の中から多くの出会いを重ね、経験を積み上げてきました。OB・OGの諸先輩方が繋いでこられた様々な取り組み、そして長岡市をはじめとした関係機関や他団体等、事業でお世話になった多くの方々とのご縁でこれまでの長岡商工会議所青年部が支えられています。その積み重ねに感謝し、会員の新しい時代へ繋げていくことが私たちの使命です。

昨年、長岡は開府400年の節目の年を迎えました。400年の歩みのなかで、二度の戦災や多くの災害に苦しんだ時代がありました。これから来るべき時代に何が起こるかは、誰も計り知ることは出来ません。私たちを取り巻く経済情勢や経営環境は、加速度的に変化しています。仮想通貨の登場や電子マネーの台頭、実店舗に頼らない電子商取引など、IT技術の発展やネットインフラの整備によって販売の手法も大きく進歩しています。生産分野においてもIoTの活用や人工知能の発達により、大幅なイノベーションを起こせる新技術の進出は目を見張るものがあり、これらの変化は、大企業ではなくむしろ中小企業に与えられたチャンスだと受け止めるべきです。私たちの挑戦するステージはもう目の前にあり、自らの在り方は自分たちで目指し、手に入れることができると信じています。
 
近年は少子化の影響を受けて、様々な業界で人材不足が叫ばれています。若年層の都市部への就業志向や、入社後の定着率の低下も問題視されています。私たちは、魅力ある郷土づくりに貢献する一方で、将来を担う多様性のある若者たちが活躍できる場づくりも、積極的に取り組むべき課題と捉える必要があります。地方都市の企業だからこそできる人材雇用、育成、承継の手法を見出すことは、私たちの大きな役割だと認識しています。そのためにも青年経済人として自己研鑽、企業力の向上、魅力発信は絶えず進めていく必要があるでしょう。未来をつくる担い手づくりこそ、地域・企業の発展の礎であると考えます。

本会の300名を超える会員の成長する力は、計り知れないものがあります。事業や交流を通じて組織の中で対話し、協働を進めながら企業の価値向上や地域貢献に結び付けることができます。会員拡大を通じて新しい出会いの可能性は無限に広がります。
喜びは分かち合うもの、成功は対をなして生まれるといわれます。失敗を恐れているばかりでは、結果は何も生まれません。失敗を恐れずに果敢に挑戦して、お互いに、そして関係者の皆様に対しての感謝を忘れず、事業の取組や成果を通じて郷土の発展につながなければなりません。
 
講師を迎えての講演会や、会員交流を通じての情報交換、新しい体験や知識を習得するための視察や研修で自己研鑽することが青年経済人としての魅力につながり、互いの信用を高めていきます。会の発展や地域を支える事業の計画・遂行により組織運営や協力を体験することを通して、地域にとって必要とされる企業に成長するための力を身につけることが大切です。

また、会として長期的視点に立った考え方も今後は必要となります。組織の継続的発展のために、各年度での活動や成果だけでなく、年度をまたぐ中長期的な方向性を話し合うことも行っていきたいと考えています。

本年、長岡商工会議所青年部が取り組むべき重要なテーマとして次の5点を掲げます。

①新しい技術や手法による、企業間(BtoB)および生産者・サービス提供者と消費者(BtoC)の情報収集や販売のあり方の習得
②インターンシップ等を含む学生の就労体験と地元就職を結びつける動機付け、および中途採用・外国人雇用など企業の求める人材とのマッチングの強化
③人と人のつながりをさらに深めるため、会員が積極参加しての交流事業と会員拡大、さらに活動を円滑に行うための運営方法や出欠管理システムの見直し
④ホームページ等による滞りのない活動内容の発信と、会員企業の魅力を会員相互・外部に周知するウェブ活用の最適化
⑤提言書の実践から考える長期的視点での活動計画策定の検討

青年部の活動も社業の発展があってこそです。節目を迎える時代を越えて地域発展を支え、業界や商圏・言語・機能・役割などの境界を越えて、信頼できる仲間とともに自らの限界を越えてさらなる飛躍を実現しましょう。

誰かがやるではなく、自らがやる。すべての結果は自分が起点として作り出した結果であるという意識が必要です。自分が源泉との立場に立ち、ともに時代を越えた挑戦をしていきましょう。


平成31年度 長岡商工会議所青年部
会長 志田 喜弘